結婚がしたい

 

結婚したい。

これは私の人生の目標である。

 

結婚なんてしなくても幸せになれる世の中とは言うものの、私は推しの芸能人が結婚したらショックを受けるし、周囲が結婚して私だけが取り残されるのは怖い。

それに親もいつか死ぬ。

私が50くらいになれば親は90だ。生きてる確率の方が低いだろう。

そうなった時私の周囲に誰がいるだろう。

ペットを飼って家族の様に育てたとしてペットの寿命は長くても15年以下だ。

相棒が死ぬのを見たくない。

それに私は死ぬのが怖い。

死んで自分の存在が消えて意思も思考回路も全て無くなるのが怖い。

私のことなど誰も覚えていなくてもいいけれど、私の主体性がどこにもないという状態が想像できない。怖い。

でも、子供がもしいるのなら、子供のことを考えて、その子供のために生きて死ぬのならその怖さも和らぐだろう。

自分の代わりに命を繋ぐ存在が出来たら、それは心強いだろう。

 

結婚して子供を作る。

イムリミットを33までとして、それを実現させるには3年以内の結婚が必要になってくる。

けれど、私は別に誰かと結婚したいわけじゃない。恋愛がしたいわけじゃない。

知らない誰かと知り合って、話が合わなくて嫌われて傷つくのが怖い。

自分が高望みだと言われて嗤われるのが怖い。

 

案外、自分は高慢なのかもしれない。

頑張って傷つくべきかもしれない。

 

自分に自信がない。

何もしたくない。

親友と彼氏

親友に彼氏が出来てから、とてもつまらない。

 

私には高校のころから共通の趣味を持っている友人がいる。 

その共通の趣味とはBLのことである。

 

とにかく趣味が合った。CP観が合い、シチュの好みが合い、話も合った。

一緒にいて楽しかった。毎日長文メールを欠かさず送り合った。

それが日常であった。

大学に入りお互い別々の生活になってもメールは続いたし、ほぼ毎日電話もしていた。

2人で推しカプの妄想を毎日した。町を歩けば推しカプのデートを妄想した。推しカプのために観光して宿泊した。

クリスマスは2人で毎年食事をしていた。

私たちは彼氏も作らず二人だけの世界観を作り生きていた。

その私たちを繋ぐものの中心にあるのは推しカプだった。

自分でも気持ち悪いオタクだと思う。きっと当事者以外から見たらもっと気持ち悪いと思う。

当然であるが互いに同性愛的な認識はない。

お互いにいつか誰かと結婚できることなんてあるのかよwwwなんてふざけて話し合っていた。 

 

社会人になり、推しカプ歴8年近くなった。流石に長く続いたカップリング妄想も毎回しなくなってくる。

私は少し寂しかった。

だから、わざと推しカプの話などを積極的に話したりもした。

そして数年前から推しカプの話はとうとうほぼしなくなった。

そんな矢先その友人に初めての彼氏が出来た。

私の正直な感想はショックだった。

夜眠って、起きたらそれはただの夢で、本人に確認したらそんなものはいないと笑ってほしかった。私の勝手な勘違いであってほしかった。

そんな気持ちを顔に出すわけにもいかず、おめでとうと私は言うと、彼氏ののろけ話をされる。

エレベーターで抱き合ったんだってさ。へー。

その話はボディーブローのようにあとからじわじわダメージが来る。

なんでこんなにダメージを食らうか分からない。

けれどこの感覚は覚えがある。地雷カプを見た時の心境だ。

私は今まで仲を深めていたこの友人をカップリングに組む混むのはどうやら地雷らしい。

のろけ話を聞いていると胃液がこみ上げてくる。重症。

 

そんな報告を聞いて以来、友人のメールの返信速度はガクッと減った。

メールも頻度が減って、3日に1度になっていた。

近頃送ったメールは今のところ1週間返ってこない。

私は寂しかった。

 

10年もずっと毎日メールをして、趣味の話をして、旅行もして、楽しく過ごしていた間柄の友情は、知り合ってたった半年の男にあっさりと取られてしまうのだ。

 

遊びに行こうと誘っても断られることが多くなり、彼氏と遊ぶのかなあとか、そんなことばかり考えてしまう。

 

私は友人に強く執着している。

幸せになってほしいなんて建て前なんだと思う。

本音を言うならば早く別れて欲しい。あっさり別れたよ!と言って私の元に帰ってきて、一緒にまた同じように過ごしたい。

なかなかひどいことを言っていると思う。

私は自分のことが友人にとってはどうでもいい存在になったみたいでとてもつらい。

自分でも引くくらい彼女に執着している。

 

お互いそろそろいい歳だ。彼氏が出来るくらい大したことじゃない。

私は友人にも私のことよりも彼氏のことを優先してもそれは仕方ないよね、と言ったことがある。

見栄を張っていた。嘘だ。そんなの。私のことを優先してほしい。

そんな付き合って数か月の男と、10年もの私の友情を一緒にしないで欲しい。

 

そんなことを喚いたところで何ともならない。

 

友人は彼氏を作り推しカプの話をしなくなり、私は未だに彼氏が出来ず推しカプの創作に勤しみ、相変わらず気持ち悪いオタクのままだ。 

 

 友人の返ってこないメッセージを見るたびに私は置いて行かれたと強く思う。

未練がすごい。

そしてこの未練を持っているのが私だけで、友人は微塵も未練を持っていないのだ。やりきれない。

 

よく独身の女子同士でルームシェアしよう、なんて話を聞く。

もちろん、ネタで言う人もいれば少し本気の人もいるだろう。

私は絶対やめた方がいいと思う。

独身女子同士の狭いコミュニティで築き上げた歪な友情など彼氏が出来た途端にあっさりと崩れるだろう。

その時残されたときの心境など想像に易い。

まさに今の私のようである。

 

友人に彼氏が出来てもう1年になろうとしている。

それほど経つのに私はまだこんな調子だ。

 

私は早く未練を絶ちたい。

執着をやめたい。

いっそ、友達なんてやめてしまえば楽なのかもしれない。

私はこんなに友人を思っているのに私のことを思ってくれない友達なんていらないと思う。

我ながら重すぎる。

もちろん言うつもりはない。言ったところで気持ち悪い執着してくる厄介な友人になり果てるだけである。

結婚なんて遠い未来の話だと思っていた。

出来ることなら時間を戻して、彼氏なんていなくて、お互い推しカプに夢中で、毎日語り合っていた時に戻りたい。

 

幸せになれるものならば友情より愛情

 

広瀬香美ロマンスの神様のワンフレーズだが心理なのかもしれない。

友情は永遠に続くものだと私は思っていた。

世の中の女性の友情が続かないのは、所詮上辺だからで、でも、私たちは違うと思っていた。けれどそれは違ったのかもしれない。

確かに、私と彼女の仲はきっと変わっていない。けれど、なにか優先順位が低くなってしまった。

そりゃそうだ。

私と彼女は一緒に暮らす予定はない。けれど、彼氏は違う。共に暮らし、家族となり、子供を育てていく人だ。

繋がりで言えば私は他人でしかない。

友情は愛情の前に無力だ。